「エイジングケア」 という言葉はよく耳にしますが、何歳からはじめるのがベストなのでしょうか。
実はエイジングケアをはじめるタイミングによって、10年後の肌への影響がかなりでます。
あとあと後悔のないよう、ベストな始め時やエイジングケアの基本を知っておきましょう。
今回は、
- エイジングケアの基本知識
- エイジングケアは何歳から始めるのがベスト
- エイジングケアが必要なサインを見極めるポイントは?
- 年齢に合った正しいエイジングケアの方法は?
について解説します。
エイジングケアの基本知識は?
エイジングケアをはじめるタイミングを知るために、まずはエイジングケアとは何なのか、基本知識をまとめました。
1.そもそもエイジングケアとは何?
エイジングケアとは、年齢に合った肌のお手入れのことをいいます。
人間は年を取ることで肌の状態が変化しますが、その変化に合ったスキンケアを行うことで、シワやたるみの進行を防ぐことができます。
エイジングケアを毎日の習慣として取り入れ、いつまでも若々しい肌を保つために必要なです。
肌のターンオーバー周期とは?
肌は、外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」となっており、細胞が重なってできています。
「表皮」は4層(基底層、有棘層、顆粒層、角質層)構造になっています。
基底層で作られた「表皮細胞」は次に分裂した細胞に押し上げられ、基底層→有棘層→顆粒層を14日かけて移動します。
さらに14日程度の時間をかけて角質層の最上部に到達すると、肌の表面から自然と剥がれ落ちて排出されます。
細胞が生まれてから排出されるまでの動きを「ターンオーバー」といいます。
加齢によってターンオーバーの周期は長くなります。
年代別の平均的なターンオーバーの周期 | |
10代 | 約20日 |
20代 | 約28日 |
30代 | 約40日 |
40代 | 約55日 |
50代 | 約75日 |
60代 | 約90日 |
ターンオーバーの周期が長くなると、古い細胞が肌にいつまでも居続けることになり、傷跡やシミがいつまでも残り続けます。
20代後半になると正しいターンオーバーに促すケアをすると美しい肌を保つのに効果的です。
逆に、過度なケアをして肌のターンオーバーの周期が早くなりすぎてしまった場合、敏感肌になるなどのトラブルがあります。
ターンオーバーは遅くても早くてもいけないのです。
参考文献:「表皮の角化」花王スキンケアナビ
(最終観覧日:2019/03/25)
肌の老化の原因は何?どんなエイジングケアがいる?
肌の老化には、
- 身体の外側からもたらされる原因
- 身体の内側からの原因
と、2つの原因があります。
肌の老化の外的原因 | 肌の老化の内的原因 |
・紫外線 ・肌への摩擦 ・乾燥 |
・睡眠不足 ・ホルモンバランスの乱れ ・ストレス |
スキンケアでできる老化肌への対策としては、以下のようなものがあります。
肌老化の外的要因への対策ケア
紫外線対策→
- 日焼け止めは季節天候によらず毎日塗る。
- サングラスをする。
- 化粧直しはUV機能付きのお粉で。
肌への摩擦を減らす→
- 肌は触った分だけ負担が生まれるので、触る回数を減らすためスキンケアアイテムは絞る。
- コットンは使わず手で優しく肌にのせるゴシゴシこすらない。
- 良かれと思ってやっている美容ローラーや力強いマッサージはNG。
保湿ケア→
- 肌にあう化粧品を使う。
- セラミドを含んだ化粧品を使う。
年齢ごとの詳しいエイジングケアは「年齢に合った正しいエイジングケアの方法は?」に詳しく説明しているので、参考にしてください。
どうしてエイジングケアが必要なの?
繰り返しますが、「エイジングケア」は、年齢に合った肌のお手入れのことをいいます。
例えば10代は肌の新陳代謝が活発なので、ターンオーバーを促すケアは必要ありませんが、40代ではターンオーバー周期が遅くなっているので、それを促すピーリングのお手入れが有効な方法になります。
このように年齢に応じてエイジングケアは変わってきます。
年齢ごとの詳しいエイジングケアは「年齢に合った正しいエイジングケアの方法は?」に詳しく説明しているので、参考にしてください。
エイジングケアは何歳から始めるのがベスト?
肌の衰えが何歳からか分かると、エイジングケアの始め時が分かります。
その目安と若いうちからのエイジングケアの必要性について考えます。
肌の代謝が衰えるのは何歳から?
肌の代謝が衰えはじめるのは、個人差がありますが20歳半ばあたりからです。
10代〜20代までは肌の新陳代謝が活発に行われているため、肌に透明感があり傷跡が治りやすい傾向にあります。
一方で、肌の新陳代謝が高いために、ニキビや毛穴の黒ずみなどの皮脂による肌の悩みが多いことも特徴です。
参考文献:「皮膚が新陳代謝しつつバリアを維持する仕組みを解明」日本医療研究開発機構
(最終観覧日:2019/03/25)
若いうちからエイジングケアを始めるのはいいこと?
「なんとなく肌に良さそうだから... 」と10代でピーリングコスメを使用して敏感肌になってしまう…という間違ったエイジングケア方法は、せっかくお手入れをしているのに逆に肌の状態を悪化させていて、もったいないことですよね。
「エイジングケア」は、年齢に合った肌のお手入れのことをいいます。
肌の老化につながる原因やターンオーバーの周期の変化を知っておくだけでも、早い段階で肌の衰えを防いだり、ケア商品の間違った使い方を防ぐことに役立ちます。
若いうちから年齢に合ったスキンケアを意識するという意味では、エイジングケアを早いうちから知ることはとても良いことです。
大切なのは肌の変化に気付くこと
エイジングケアをする上で一番大切なことは、自分の肌の変化に気付くことです。
肌のターンオーバーの周期が変化すると、それまで使用していた基礎化粧品を使っていても思うような効果が出ないかったり、合わないように感じることがあります。
これは、肌が変化しているサインです。
肌の状態が変化したときに放置せず、今の肌が必要としている成分が含まれた基礎化粧品に切り替えることで、肌の老化を防ぐことにもつながります。
肌の変化を感じるサインを次から説明していきます。
エイジングケアが必要なサインを見極めるポイントは?
生活習慣によっては早い段階でエイジングケアをはじめた方が良いケースもあります。
エイジングケアが必要なサインを見極めるための、具体的なポイントをチェックしていきましょう。
1.毛穴が気になり始めたら肌の内部が老化しているサイン?
たるみによる毛穴の開きが気になる場合、肌の内部の老化が進んでいるサインかもしれません。
毛穴が目立つ理由として考えられるのは、皮膚表面(表皮)のバリア機能が加齢により低下し、ターンオーバーの周期が乱れていることです。
また、年齢を重ねると重力によってたるみができやすくなりますが、毛穴自体も楕円形に変化しています。
たるみケアのためには、ターンオーバーの周期を整えて保湿に力を入れることが効果的です。
2.肌の乾燥を急に感じるようになったらお手入れのタイミング?
肌の老化をできる限り防ぐために、放置したくないのが肌の乾燥状態です。
20代後半〜30代にかけて、今まで感じなかった乾燥を実感する人が増える傾向にあります。
それこそが、エイジングケアが必要なサインです。
肌が乾燥した状態が続くと、肌のバリア機能の低下を引き起こす原因となります。
すると、老化の原因となる紫外線のダメージを受けやすくなり、さらに肌が衰えてしまう可能性があるのです。
エイジングケアにお金をかけたくないと考えている場合にも、乾燥を感じる場合はたっぷり保湿できるプチプラ基礎化粧品を使うなどの工夫をして肌の老化を防ぐことがオススメです。
3.紫外線を浴びる時間が日常生活で多い人は早めのエイジングケアが効果的?
肌の老化の8割は紫外線が原因だといわれるほど、日焼けによる肌のダメージは大きいものです。
肌の老化の大きな原因である紫外線から肌を守るために、日焼け対策をすることで肌の細胞を守ることができます。
紫外線によって肌が乾燥すると、ターンオーバーの乱れにもつながります。
そのため、紫外線を浴びる時間が日常生活で多いと感じる人は、早めのエイジングケアがオススメです。
丁寧に保湿をすることで、このターンオーバーの乱れを防ぎ、肌の老化をできる限り防ぐことができます。
もう1つ注意したいのが、目の紫外線ケアもした方が良いということです。
動物実験では目から入った紫外線が皮膚にも影響するという研究結果が出ているからです。
日焼け止めを塗ったからといって安心せず、サングラスなどで目の紫外線対策も行いましょう。
参考文献:「肌老化の原因の8割は紫外線!知られていない危険と予防対策」Rサイエンスクリニック広尾 医院長・医学博士/アンチエイジングドクター日比野佐和子先生
(最終観覧日:2019/03/25)
年齢に合った正しいエイジングケアの方法は?
エイジングケアの内容によって、10年後の肌の状態は違います。
後悔しないために、今できる正しいエイジングケアを知っておきましょう。
1.正しいエイジングケアの方法は年齢に応じたお手入れ
正しいエイジングケアは、高いアイテムを使えば良いということではありません。
その人の年齢や生活、肌質に合った基礎化粧品がそれぞれにあります。
10代~60代までのエイジングケアについて詳しく解説します。
10代のエイジングケア
10代までは肌の新陳代謝が活発なので、それを促す対策は必要ありません。
老化予防のための対策を普段から取り入れましょう。
肌を良い状態に保つため、紫外線を防ぐための日焼け止めをすること。化粧水などを塗る場合はゴシゴシこすらず優しく肌を扱うよう心がけましょう。
メイクオフはこすって肌の負担になるシートタイプは避け、洗い流すタイプの物にしましょう。
代謝を活発にし、成長ホルモンを正常に分泌させるのに大敵なのは睡眠不足です。
なるだけ夜更かしはせず、6時間は睡眠するようにし、規則正しい生活を心がけましょう。
20代のエイジングケア
20代は前半と後半でも肌の状態が変わります。20代前半は10代のエイジングケアと同じでよいでしょう。
20代後半からは同じケアをしても今まで感じなかった乾燥を実感する人が増える傾向にあります。
ひょっとしたら新陳代謝のスピードが落ちてきた可能性もあるので、肌の表面にある不要になった細胞を取り除く手助けするピーリングを取り入れてみるのも有効な手段です。
30代のエイジングケア
20代後半~30代は妊娠出産を経験する女性が多いと思います。
妊娠するとホルモンバランスが劇的に変わります。今まで気にならなかったシミやそばかすが気になるのもよく聞く話です。
赤ちゃんの世話でスキンケアの時間どころか睡眠すらもなかなか取れないという状態なので、シミ対策や保湿に優れたオールインワンゲルで最低限のお手入れはクリアしておきましょう。
洗濯物を干すだけだからとすっぴんでベランダに出るのはNG。SPF30程度の日焼け止めだとクレンジング不要で洗顔だけで落とせるものもあるので、日々そちらを塗る最低限のUV対策は死守しましょう。
40代のエイジングケア
40代になるとプレ更年期が始まり女性ホルモンが徐々に減少したり、皮脂の分泌も少なくなり、肌が乾燥しやすくなります。
肌が乾燥するとシミ、しわ、たるみの原因になります。
肌の水分はセラミドによって維持されるので、セラミドを補うためにセラミド配合、さらに新陳代謝を促すビタミンC誘導体の入った化粧水などをチョイスすると良いでしょう。
子供も少し大きくなり、自由な時間が増えてきたら、オールインワンゲルからは卒業して、化粧水や美容液などライン使いして自分のお肌に手をかける時間を増やしてみましょう。
50代のエイジングケア
平均閉経年齢は50.5歳といわれています。
閉経により女性ホルモン(エストロゲン)が減少すると肌のコラーゲンが低下し肌のハリが失われたるんだ印象になります。
肌のハリを促す成分が入ったレチノール、ビタミンC誘導体の入ったコスメでお手入れをするとよいでしょう。
60代のエイジングケア
65歳になると制度的には高齢者の仲間入りとなってしまいますが、今の時代、60代の女性はまだまだ若い現役感のある印象です。
その印象に影響を与えるのがシミ。
厚生省認可の美白成分のアルブチン、プラセンタ、ビタミンC誘導体が入ったコスメを利用しましょう。
特にビタミンC誘導体はハリを促す成分も入っているのでハリとシミの両方に効くためおススメです。
頑固で目立つシミをすぐに消したい場合は、美容外科でのレーザー治療もあります。
なかなか効果が出ない場合は、再生医療技術を応用し、ターンオーバーの正常化の手助けをしてくれる『幹細胞コスメ』がおススメです。
選び方や具体的商品については、「幹細胞コスメおすすめランキング10選 | ヒト・植物幹細胞の違いと選び方を解説」でも詳しく紹介しています。
-
-
幹細胞コスメおすすめランキング16選 | ヒト・植物幹細胞の違いと選び方を解説
幹細胞コスメおすすめランキング16選 | ヒト・植物幹細胞の違いと選び方を解説 美容液やマスクなど、幹細胞コスメのおすすめ商品を「ヒト由来」と「植物由来」に分けてランキング形式でご紹介します。 幹細胞 ...
続きを見る
エイジングケアで重要なのは丁寧なクレンジング
毎日のケアで注意したいのが、クレンジングです。というのも、クレンジングはスキンケアの中で一番肌に負担が大きい行為だからです。
肌に大きなダメージを与えるため、シートタイプのクレンジングアイテムは避け、洗い流すタイプを選びましょう。
アイメイクをとるために力をいれてこするのも厳禁です。
自分の肌に合った基礎化粧品を使っていても、メイクが落としきれていなかった場合、肌の老化につながってしまいます。
メイクは優しくしっかりとオフしましょう。
また、冷えによって血の巡りが悪くなると、肌のくすみやクマの原因にもなります。これはコスメで対応できません。対応としては体を温めることが有効です。
“冷えは万病の元” とよく聞きますが、肌にとっても冷えは良くありません。冷えによって自律神経が乱れると肌のターンオーバーの周期も低下します。
シャワーで済ませず毎日湯船に入って体を温めたり、暑いからと言って冷たいものばかりを飲まないようにしましょう。
こうして温活をすることで、肌のターンオーバー周期が乱れにくくなり、肌の自然治癒力向上が期待できます。
エイジングケアQ&A
エイジングケアについてのよくあるQ&Aをまとめてみました。
エイジングケアとアンチエイジングの違いは?
「エイジングケア」は、年齢に合った肌のお手入れのことですが、「アンチエイジング」はエイジング(老化)に抵抗するといった意味です。
目的に大きな違いはありませんが、アンチエイジングの方が強く抵抗するようなイメージを持ちやすいですね。
薬事法では化粧品に「アンチエイジング」という言葉を使ってはいけないという決まりもあるため、今は「エイジングケア」という表現の方がよく耳にするようになりました。
エイジング(老化)を早めるNG習慣は?
喫煙やお酒の飲み過ぎも、エイジング(老化)を早めることに影響します。
毎日繰り返す習慣は、想像以上に肌に反映されるのです。
しかし、喫煙やお酒を控えることがストレスになる場合は、そのストレスが悪影響となる場合もあります。
無理のない範囲で生活習慣を見直し、自分の生活に合ったエイジングケアが必要となります。
エイジングケアに効果的な食べ物は?
エイジングケアというと美容液などの基礎化粧品によるお手入れが頭に浮かびますが、実は食べるものを変えるだけでも肌の状態は変化します。
脂っぽい食べ物が多いと感じている人は、食べるものを見直すことで肌質の改善も期待できます。
肌に必要な栄養素が含まれている食材を積極的に選ぶようにしてみましょう。
- 魚、卵、肉などのたんぱく質
- 海藻類、きのこ類のミネラル
- 野菜、フルーツなどのビタミン
- 豆腐、豆乳、納豆などのイソフラボン
などが、肌の内部からエイジングケアをするためにオススメの食材・栄養素です。
まとめ
エイジングケアの基礎知識と正しいケアの方法について解説してきました。
肌の不調や老化を感じるときには、何らかの原因があります。
自分の肌の状態を見て、正しいエイジングケアをすることが大切なポイントです。
10年後の肌もできるだけ良い状態で保てるように、今できるエイジングケアをはじめましょう。